2007年にはじまり、2019年で13回目の開催となるプログラミング・ICTスキルの全国大会「子どもみらいグランプリ」。7月15日に愛知県名古屋市のナディアパーク・デザインホールで行われた「子どもみらいグランプリ2019」をレポート。
190人以上の子どもが集結!会場にはロボホンやドローンのブースも
名古屋で行われた「子どもみらいグランプリ」は、子どもたちのITリテラシーや論理的思考力、創造力を育むことを目的にしたイベントです。全国大会では9会場で実施した地区大会からの上位者が、「イラスト部門」「プレゼンテーション部門」「入力部門」の3部門で発表し、入賞を競います。
また、一般公募による「CG-ARTS部門」「プログラミング部門」「ロボットプログラミング部門」の上位入賞者も、ここで表彰が行われます。
会場のナディアパーク(名古屋市中区)には、事前審査で選ばれた190名以上の子どもたちが大集結。その様子からは緊張感とわくわく感とが同時に伝わってきます。子どもみらいグランプリはこれまでに延べ2万人の子どもたちが参加し、年々参加者も増えているとのこと。
会場にはイベントブースが設営され、「イラスト」や、一般公募の「CG-ARTS」「プログラミング」「ロボットプログラミング」入賞作品の展示体験コーナーも設置されていました。子どもたちはプログラミング作品を熱心に閲覧しています。
イベントブースには、発売以来ロングセールスを誇るモバイル型ロボット電話、「RoBoHoN(ロボホン)」の体験スペースもありました。また、ドローンオンライン学習サイト「プロペララボ」のドローンプログラミング体験企画も催され、Scratchを使ったプログラミングによるドローン操縦に挑戦する子どもたちの姿も。
こちらはドローンと同じプロペラの仕組みで飛ぶ紙コプターの制作コーナー。子どもたちは発表の合間に、こうした体験に取り組んでいます。
テーマは「伝える」。プレゼンを通してなにを伝えるか
開会式がはじまりました。北は宮城県から南は沖縄まで、全国各地から集まった参加者たちが、静かな火花を散らします。今年のテーマは「伝える」です。
【イラスト部門・小学生共通】
テーマに沿ったイラストと作文に工夫をこらし、発表します。イラストはパソコンで作成したもの。
魚のかぶりものの扮装で、海の中に住む夢の様子をイラストとして描いたり、そろばんが得意なこと、その必要性についてイラストを交え熱弁するなど、思い思いのテーマ解釈による発表が続きました。腕を広げる、豊かな感情表現など、聴衆に訴えかける大きなリアクションが印象的。
【プレゼンテーション部門・小学生の部】
テーマに合わせてスライドを作成。3分間のプレゼンテーションをします。
アニメーションなども駆使してパワーポイントをうまく使い、より効果的な発表をする様子が目立ちました。ワイヤレスマイクを装着し、ステージいっぱい動き回りながらのアクティブなプレゼン姿勢は、大人も顔負けです。
【第一部表彰式】
ここで第一部表彰式として、一般公募部門の表彰が行われました。「CG-ARTS」「プログラミング」「ロボットプログラミング」の3部門。プログラミングにより制作されたゲームなどどれもクオリティが高く、入賞が発表される度に会場の保護者からは歓声があがっていました。
引き続き、「イラスト部門」と「プレゼンテーション部門・小学生の部」の表彰も行われました。名前を呼ばれた子どもたちは誇らしげにステージへと上がり、会場は拍手に包まれます。
【入力部門(小学生・中学生・高校生の部)】
「5分間スピードコンテスト」を予選とし、勝ち抜いてきた子どもたちが決勝に挑みます。正しく入力できた文字数などを競うというもので、静まり返った会場は緊張感に満ちています。
【プレゼンテーション部門・中学生の部】
こちらもテーマに合わせてスライドを作成。3分間プレゼンテーションします。
小学生の部とは打って変わって、発表する際の発声の仕方や目線などに力がこもり、説得力が増しているのに驚きました。「伝える」というテーマのもと、さまざまな発表が行われましたが、どれも文字通り伝えたいという熱意に溢れています。
【プレゼンテーション部門・高校生の部】
テーマに合わせてスライドを作成。3分間プレゼンテーションします。
テーマに対する題材の選び方ひとつにも、聴衆がどう受け止めるのかまでを踏まえた配慮が感じられました。そこにはいかにも人の心をくすぐるような、サービス精神や遊び心なども加味されており、さすが高校生と感心させられます。
【第二表彰式】
最後に「入力部門」「プレゼンテーション部門・中学生の部」「プレゼンテーション部門・高校生の部」の表彰式が行われました。築き上げた発表の成果に、入賞した際の喜びも大きい様子でした。
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大人でも苦手なプレゼンテーションを堂々と行う子どもたちの姿には、勇気づけられるものがありました。ともすると発表の仕方は型にはまりがちな印象も受けるものの、本来プレゼンテーションとは“わかりやすさ”が第一であることを考えると、これが正解かもと思わせます。
今後はさらなるICT教育の飛躍を見据え、ますます内容の充実がはかられ、「子どもみらいグランプリ」もまた、大きく成長していくことでしょう。
「子どもみらいグランプリ2019」の入賞者はこちら。