「深海」から「航空」「宇宙」まで 三菱重工の科学技術の奥深さが垣間見れる「三菱みなとみらい技術館」

三菱重工業が運営している「三菱みなとみらい技術館」について、企業活動との関わりと併せて紹介します。

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横浜みなとみらい21地区にある企業博物館

日本で2番目に高い超高層ビルである横浜ランドマークタワー。そのタワーがある横浜みなとみらい21地区は、横浜港に面しており、造船所や貨物支線などの物流拠点があった場所が再開発されたエリアです。このエリアは高層ビルが多くを占めており、企業の拠点にもなっています。

企業が企業活動に関わる内容を展示する博物館「企業博物館」については以前も紹介しました。今回は三菱重工業が運営している「三菱みなとみらい技術館」について、企業活動との関わりと併せて紹介します。企業(グループ)の歴史が非常に長いこともあり、法人格や再編などいろいろ変遷はありますが、今回は省略します。

「三菱(グループ)」と聞くと、三菱自動車や三菱電機を最初に思い浮かべる人も多いかと思いますが、1869年(明治2年)に土佐藩の商社「土佐開成社」としてはじまり、1873年(明治6年)に「三菱商会」と名乗るようになったのが発祥の企業グループです。1884年(明治17年)に日本政府から長崎造船所を借り受けたのをきっかけに設立された、三菱造船株式会が現在の三菱重工業の源流となります。

「ちきゅう」「しんかい6500」

「地球深部探査船・ちきゅう」模型

JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)では、海底の岩盤を掘削して調査する「ちきゅう」や、深海調査を行う「しんかい6500」を運用していますが、これらも三菱重工製だそうです。ちなみに「ちきゅう」や「しんかい6500」は、JAMSTECの研究所が公開される際に見学できますので、ぜひチェックしてみてください。

しんかい6500 実物大模型

ドックヤードガーデン

ドックヤードガーデン

ところで、三菱みなとみらい技術館から歩いて5分ちょっとのところにある、横浜ランドマークタワーの足元には、ドックヤードガーデンと呼ばれる広場があります。これも三菱重工業横浜造船所の「ドライドック」が保存されているもので、国の重要文化財になっています。

ドライドックとは、日本語で「乾船渠(かんせんきょ)」と言い、船をひき入れた後に水を抜いて、修理や整備をする施設です。ドックヤードガーデンをよく見ると(写真の奥のほうが)船の先端が入るように三角形になっているのがわかります。

三菱重工と飛行機の関係

YS-11A模型

三菱重工は太平洋戦争(第二次世界大戦)の際には、零式艦上戦闘機(ゼロ戦)も開発しており、戦後初の国産航空機「YS-11」の開発にも参加しています。現在、三菱航空機でリージョナルジェットという短距離用旅客機の開発が進められているのも、こういった技術背景があるためです。

「航空分野」は利用技術の関連性の高さから、ロケットなどと合わせて、ひとくくりに「航空宇宙分野」として扱われることが多いです。JAXA(宇宙航空研究開発機構)の前身の一つであるNASDA(宇宙開発事業団)と三菱重工が共同開発したH-IIロケットは、1994年(平成6年)2月4日に初打ち上げに成功しました。

ここには、H-II用に開発され実際に技術試験に用いられていた「LE-7ロケットエンジン」が展示されています。このエンジンは、NASDA、JAXAの前身の一つであるNAL(航空宇宙技術研究所)、IHI(旧石川島播磨重工業)、三菱重工業の共同開発によるものです。先端科学探求の開発がこういった企業に支えられていることが、よくわかる展示でもあります。

LE-7エンジン・試験用実機

横浜トリエンナーレ2020

ところで、お隣にある横浜美術と周辺の2会場では、10月11日(日)まで、横浜トリエンナーレ2020が開催されています。こちらは一部予約制となっているので、一緒に訪問される際には忘れずに確認してください。

今回は2020年(令和2年)8月2日午後に訪問しました。予約などは不要でしたが、変更になる可能性もあります。また重ねてのお願いになりますが、COVID-19についてはもちろん、博物館の開館状況・入場制限などについては、常に最新の情報を確認の上、適切な予防手段を採った上で訪問するようお願いいたします。

基本情報

三菱みなとみらい技術館

  • 住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目3番1号
  • 公式サイト:https://www.mhi.com/jp/minatomirai/
  • 開館時間:午前10時〜午後5時
  • 目安見学時間: 1.5時間
  • 入場料:大人500円 / 中学生・高校生 300円 / 小学生 200円

※開館時間などについては変更になる可能性があります。必ず公式サイトで最新の情報を確認してください。

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