「はやぶさ2」をオンラインで知ろう! JAXAのサイトから在宅で宇宙を楽しむ方法

2度目の緊急事態宣言が出され、なかなか外出できない日々が続きますが、そんなときこそ、美術館や博物館はオンラインで楽しむのはいかがでしょうか。今回は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の歴史とオンラインイベントについて紹介します。

JAXAの歴史

JAXA筑波宇宙センター(2014年4月19日撮影)

日本の宇宙開発研究は、第二次世界大戦(太平洋戦争)後の1954年(昭和29年2月に東京大学生産科学研究所に、糸川英夫博士をリーダーとしてロケット研究グループが組織されたところから本格的にはじまります。

ちなみに、2003年(平成15年)5月9日に内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県杵付町)から打ち上げられ、2010年(平成22年)6月13日に地球に帰還した「小惑星探査機はやぶさ(初代)」が微粒子を持ち帰った、「小惑星イトカワ」は糸川博士から名づけられました。

初年度のロケット研究予算560万円という制約もあり「ペンシルロケット」と呼ばれる全長23cm(標準型)の火薬式ロケットの実験から始まりました。小さいとはいえ、燃料(火薬)を燃焼したガスを吹き出すことで推力(反作用)を得るという本物のロケットエンジンを備えています。それだけに実験は大変危険なので、東京都国分寺市にあった銃器試射施設の跡地が利用されました。

ペンシルロケット(国分寺市2015年4月12日 60周年記念イベントで撮影)

この研究グループは、東京大学航空研究所、宇宙科学研究所(ISAS)といった組織の改組発展を重ね、現在の「国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 / Japan Aerospace Exploration Agency(通称: JAXA)」につながります。

未来をのぞこう Look into the Future

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JAXAのある場所

JAXAは東京都調布市に本部である「航空宇宙センター」があります。調布市は連載第1回で紹介した国立天文台がある東京都三鷹市と隣接しており、国立天文台とは直線距離で約2kmしか離れていません。ペンシルロケットの初期の実験が行われた国分寺市も近く、同じ多摩地域に属しています。

JAXAには、宇宙飛行士の訓練が行われる「筑波宇宙センター」(茨城県つくば市)、ロケットの発射が行われる「種子島宇宙センター」(鹿児島県南種子町)といったよく聞く施設の他にも、ロケットエンジンの燃焼実験などが行われる「能代ロケット実験場」(秋田県能代市)、衛星との通信のために巨大なパラボラアンテナを備えた「沖縄宇宙通信所」(沖縄県恩納村)など、北海道から沖縄まで多数の施設を擁し、日本の宇宙開発の最先端を担っています。

沖縄宇宙通信所(2017年1月4日撮影)

JAXAのオンラインイベント

JAXAシンポジウム2020@オンライン 「おおすみ」打上げ50周年記念「宇宙開発 今昔物語」

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一時休止中ですが、国内の施設の多くには見学施設が設けられているだけでなく毎年研究所公開が行われ、最先端研究の現場を垣間見ることができます。現在はオンラインイベントを積極的に開催しているので、ぜひチェックしてみてください。

ところで、2020年(令和2年)12月6日に「小惑星探査機はやぶさ2」は「小惑星リュウグウ」から岩石標本を持ち帰りました(サンプルリターン)。はやぶさ2は「相模原キャンパス」(神奈川県相模原市)で管制(運用管理)が行われました。はやぶさ2の管制室の模様は動画で公開されており、どのような様子であったか知ることができます。「はやぶさ(初代)」も相模原キャンパスで管制されました。

また、リュウグウのサンプル(岩石標本)が入ったカプセルが搬入されたのも相模原キャンパスで、現在は専用の分析施設で研究が進められています。

相模原キャンパスは2021年(令和3年)3月26日, 27日にオンラインで研究所公開が実施されるそうですので、公式Twitterをご確認ください。

JAXA東京事業所(2015年2月5日撮影)

ところで、JAXAでは2020年10月に、13年ぶりに日本人宇宙飛行士を募集すると発表しました。知力・体力だけでなく、訓練と打ち上げタイミングを長期間待つなどもあり10年以上勤務可能なことといった、さまざまな高度な条件が課せられます。募集は2021年秋ですが、次の募集の機会がいつあるかはわかりませんので、資格を備えた方はぜひご検討ください。

今回は、JAXAについて紹介しました。現在休止中ではありますが研究施設を積極的に公開していますので、オンラインで予習して、再開時には是非ご訪問ください。

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