2018年8月に東京某所で開催された、遊びから「プログラミングの楽しさ」を理解してもらうためのイベント「遊んで学んで」。前回に引き続き、具体的にそれぞれのコンテンツについて見ていきましょう。
タッチで遊ぼう – 算数もアルファベットも
白く広い壁にプロジェクターで投影される算数やアルファベットの問題を、子どもたちが身体と頭を使って挑戦するインタラクティブコンテンツです。
算数の問題は、モグラ叩きのようなゲームになっています。穴から出てくるモグラには、「プラス」と「マイナス」のモグラがいて、それを瞬時に足し算をしながら、さらに目標となる数字にしていくという、二重の足し算ゲームです。
大人がチャレンジしても、考えながら壁をタッチするのでアクションが遅れることが多々ありました。また、複数人で協力しながらプレイすることもできます(マルチタッチ対応)。まだ算数ができないくらいの小さな子どもたちは、単純にモグラ叩きとして遊んでいました。
英語の問題は、お題となるアルファベットと選択肢の絵が表示されるので、頭文字がそのアルファベットのものをタッチします。間違っても、答えがわかるまで何度でもチャレンジできます。
このコンテンツは、算数や英語に興味をもってもらうための「最初のきっかけ」というのがテーマ。私たちが得意とする、身体全体でリズミカルに楽しみながら学べるものをつくろうというのがはじまりです。
子どもたちにとって、クリエイティブ力やプログラミングなど、これまでなかった学習が重要になってくるのは十分に理解してもらったうえで、既存の学習方法と違ったアプローチで、よりスムーズに学習に入ってもらえればと考えました。
しかし、このようなコンテンツは、タブレットなどでさまざまなプロフェッショナルの方々が学習方法を提供してきた分野です。それをこのフォーマットに落とし込むのは大変困難であり、今後は、よりブラッシュアップしていく必要があると考えています。
もっとジャンプが楽しくなる – インタラクティブ・トランポリン
デジタルの力で、跳躍器具を未来のオモチャに変身! ジャンプするごとに音が鳴ったり光ったりして、不思議な感覚を感じながら遊べます。音はプリセットの音も楽しめますし、自分の声を録音してしゃべらせることもできます。
「遊んで学んで」は、遊びながら結果として何かを学べるというのがコンセプトです。しかし、中には「楽しい」を追求したコンテンツがあってもいいんじゃない?っていう話がきっかけで、このコンテンツがつくられました。どうせなら、すでに楽しいとされている遊びを、我々のアイデアとテクノロジーを使ったらより楽しくなるというのを見せれたら良さそうということで、まずは跳躍器具を選んでみました。そのため学び的な運動能力が向上するなどの話は完全に後付けです。結果として、多くの子どもたちに楽しんでもらったので、コンテンツとして成功だと感じています。今後もこういうアプローチのコンテンツがいくつかあってもいいと思ってます。
遊びだからこそ楽しく夢中になれる
2018年夏に開催した「遊んで学んで」のイベントで提供したコンテンツを紹介してきました。「遊んで学んで」というタイトルでしたが、子どもたちには「遊んだ!楽しかった!」という感想だけ残っていればいいと思っています。その楽しさには、学びの要素が盛り込まれていて、気づけば夢中になって学んでいたという状況が理想です。
現在、「タッチで遊ぼう」で使用した測域センサーを使った新コンテンツも開発。ボールプールでの横にスクリーンがあって、ボールをぶつけると映像の中のオブジェクトが壊れていくものです。壁にタッチすることから、壁にボールをぶつけるに変わり、楽しさは倍増します。
このように、新しい「遊んで学んで」をこれからもつくり続けます。もしかしたら、楽しいコンテンツをつくっている楽しそうな大人の姿を見てもらうことも、テクノロジーやものづくりに関心をもってもらうキャリア教育のひとつなのかもしれません。